慌てなくていい。急がなくていい。前を向いて、少しずつ。地に足つけて、一歩ずつ。


by hibinag
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セミにはセミの事情がある。と思う。

朝、通勤路にセミの亡骸が一つ二つ。
今、耳が痛くなるほど泣き続けている一団からも、
そろそろ生命を全うした者が出始めている。

俗にセミは7年を土の中で過ごし、地上に出ると
7日間で息絶えると言われる。
まあ、細かい数字やら信憑性やらは定かでないが、
割りとそんなふうに聞く。と思う。

ともかく、「地下でじっとしてる期間に比べて、地上で活動する期間が短すぎる」
ということなわけだが、それをもって、セミの一生は
「儚い、可哀想」というイメージでとらえられがちだ。と思う。

だが、本当にそうだろうか。
もともと彼らにとっては、それが「当たり前」なんであって、
地上で姿を晒す時間が短いのは、むしろ彼らにはいいことかもしれない。
いや、それ以前に、それが「短い」と、いったい誰が決めたのか。

まあ、当たり前で仕方のないことなんだろうけど、
それは結局、人間スタンダードな感覚でしかない。
セミにしてみりゃ、地上に這い出す時は、まさに死への旅立ちなわけで、
そりゃもう、地中の仲間に遺書の一つも書きたい心境かもしれぬ。

子供でいられる土の中の日々は快適かもしれない。
別に彼らは自由を奪われているわけではない。
いよいよ「地上への階段」を昇る時の彼らの覚悟はいかばかりか…。
それを人間どもが、軽々しく判定していいものか…。

てなことを、道端に転がる亡骸と、耳をつんざく大音響のレクイエムの中で、
ふと思ってみたりしたのだった。
どうやら暑さでやられたのか俺。
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by hibinag | 2005-08-02 10:12 | 03.主張