慌てなくていい。急がなくていい。前を向いて、少しずつ。地に足つけて、一歩ずつ。


by hibinag
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「美談」の影

先日、こんなニュースがあった。

■JR快速“温情”の臨時停車、乗り間違えた受験生救う

高校受験に向かう電車を乗り間違えた女子中学生のため、
特例で、ノンストップの快速電車を途中駅に臨時停車させた、というもの。
「若者の将来がかかっているから」とJRが判断したらしいが、
それより、動揺する女の子を心配し、励まし、慮った周囲の乗客たちの態度には、
世の中、まだまだ捨てたもんじゃないと思わせるものがあった。
この点に限って言えば。

そして、今日。またこんなニュースが。

■外国人乗り間違え臨時停車、ひんぱん特例に疑問の声も

今度は、成田に向かうはずが、
逆方向の電車に乗ってしまった外国人5名というケースだが、
「あまり頻繁に臨時停車するのも困りもの」という乗客の声はもっともだと思う。

この2つの事例は、次の2点において共通の問題をはらんでいる。



1つは、こうした特例によって、
ほかの乗客が強制的にそれに付き合わされるという問題。
特に、先の中学生のケースなど、1分1秒を争う朝のラッシュ時に起こっており、
もしかしたら、それによって何かに遅刻し、
大事なものを失った誰か
がいたかもしれない。
ミスした人間を救うことにより、
ミスしていないはずの別の犠牲者を生んでいる可能性がある
ということだ。

先日の出張の時、空港に向かう電車で同じことがあったら、
事情がどうあれ、おそらく私は怒り狂っていたに違いない。
それが私の一生を左右するようなことでなくても。

そして、もう1つは、こういう救済措置について非難・批判しにくいということだ。
今にも泣き出しそうな中学生を前にして、
「俺が遅刻するから余計なことするな」とは、なかなか言いにくい。
この強弁しにくいムードが、実は往々にして厄介なのだ。

「人生を左右する」と言ったって、別に命にかかわることではない。
朝、電車に乗るところから、試験はすでに始まっているのだ。

それに、不合格になったほうが、幸せな場合だってあるしね。
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by hibinag | 2003-02-08 21:05 | 03.主張