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慌てなくていい。急がなくていい。前を向いて、少しずつ。地に足つけて、一歩ずつ。


by hibinag
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理屈を超えたもの

大河ドラマのオープニングで「舘ひろし」(織田信長)の名を見つけると
「あっ、“ひろしです”や!」と毎週もれなく大喜びのサン。
彼が読める数少ない名前だからですが、
若干お笑いピン芸人と混同している風でもあるような。
これでも昔はあぶない刑事だったとです。ヒロシです。
違う、南出です。うっかり間違えるところだったよ。

それはさておき、久しぶりに「功名が辻」のレビューなど書きますかね。
今日は信長軍が小谷城に攻め入り、浅井家が滅ぼされた。
浅井長政の妻にして信長の妹である市は、
自分の子ではないが嫡男の万福丸の命を助けることを条件に
秀吉の説得に応じ、兄の元へと戻る。

しかし、信長は秀吉に万福丸を殺すよう命じ、秀吉はそれを一豊に命ずる。
「あんないたいけな子供を殺すことはできない」と抵抗する一豊。
だが、
「お前は功名、功名と言って敵の武将の首を取っているではないか。
それはできて、相手が子供だとできないというのは、おかしいではないか!」
と秀吉に詰め寄られ、従わざるを得なくなる。

後日、このことを千代に打ち明ける一豊。
「秀吉様に言われて反論できなかった」としょげるのだが、
これって全然、反論の余地があるよなあ、と感じた。

相手が武将の場合は、「やらなければやられる」という状況だ。
しかし、万福丸は武器も持たず、全く抵抗の意思すらない子供なのだ。
「戦う」ことと「手をかける」こととは、まるで違う。

確かに、理屈では同じかもしれない。
だが、情緒や感情の部分では、まるで別次元ではないか。
そして、人間は、理屈だけでは動かない。
動くべき生き物ではない。
秀吉があんな「屁理屈」を持ち出したことで、
このドラマの脚本に潜む「現代」を見た気がして、ちょっと萎えた。
by hibinag | 2006-04-02 23:27 | 06.映画・ドラマ・アニメ