慌てなくていい。急がなくていい。前を向いて、少しずつ。地に足つけて、一歩ずつ。


by hibinag
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親子の情景

昨日、午後からサンを公園に連れて行った。
ビニールのソフトバットとボールで野球ごっこだ。
滑り台と水飲み場があるだけの小さな公園。
ほかに人は誰もいなかったので安心だ。

暫くして、サンより少し大きい女の子がやって来て、滑り台で遊び始めた。
その様子を見て、サンも野球ごっこ終了。滑り台へGO。
私も近くで相手になってやっていると、その女の子が話しかけてきた。

最初は、サンダルがストッパーになって巧く滑れないサンに、
「足を上げたら滑れるよ」とか言っていたのだが、そのうち私に
「一昨日、誕生日だったの」とか盛んに話しかけてくるので、
「いくつになったん?」と聞くと「6歳」との答え。
幼稚園に通っていて、来年から小学校に上がるらしい。

サンの相手をしつつ、そんな何でもない会話をしながら、
私は妙な違和感を覚えていた。
少し離れた所にあったベンチに、その女の子の父親が座っていたからだ。
いや、もう少し正確に言えば、
その父親がずっと携帯電話の画面を見続けていたからだ。
滑り台に背を向けて座り、一言も話さず、もちろん女の子に視線を送ることもなく。

子供を公園などに連れて来ている親が、子供を放ったらかしにして
ケータイメールに没頭する姿はよく見かける。
私はそういう場面を目にするたびに、その親たちは勿体ないことをしていると思う。

確かに「子供のお守り」と思えば面倒だし、
限られた中から「自分の時間」を捻出したい気持ちも分からないではないけれど、
彼らは、公園に来てまで一体何をやっているのか。
今の子供の姿は今しか見ることができないのに。
監督責任を果たしていないという問題もさることながら、
今必要な触れ合いやコミュニケーションを放棄することが、
近い将来、後悔の種になるかもしれないとは思わないのだろうか。
ましてや女の子の父親であれば尚更ではないのか?

父親の丸い背中を見ながら取り留めもなくそんなことを考えていると、
女の子がぽつりと言った。

「お母さんは…、お父さんと喧嘩してるみたいなの」

転勤族を想起させる女の子の関東ことばが、曇り始めた空と相俟って、
何とも言えない重さを抱えているように聞こえた。
30度を超える夏の昼下がりなのに、私は少し寒くなった。
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by hibinag | 2004-07-05 20:35 | 03.主張