慌てなくていい。急がなくていい。前を向いて、少しずつ。地に足つけて、一歩ずつ。


by hibinag
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大河な1年

今日は珍しく、テレビドラマの話を。

とは言っても、中味のことを細かく書く気はない。
昨日、NHK大河ドラマ「新選組!」の最終回が放送された。
1年間、欠かさず見続けた。

普段、連続ドラマをそんなに見ているわけではないから、
こういうことは、私にとってかなり稀有なことと言える。
まして1クール3カ月ではなく、1年間だ。

確かに子供の頃、大河を見ていた記憶はあるが、
どちらかと言えば、親が見ていたから一緒に見ていた感が強い。
日曜日の夕方に何となく「サザエさん」を見ているようなもので、
それは単に、日曜夜の定番、風物詩のようなものだった。
今回のように、自分の意志で見始め、見続けたのは初めてと言っていいと思う。

そもそも幕末という混沌とした時代、そして、そのわずかなタームを、
まさに疾風のように駆け抜けた新選組というものに、
おそらくぼんやりとした興味はあったのだろう。
大河を見始めたのは、そんな理由だったと思う。

しかし、それはあくまでぼんやりとしたものであり、
「近藤勇」とか「池田屋事件」といったキーワードは知っていても、
単にそれだけのものに過ぎなかった。

だが、このドラマをきっかけに、興味は当然、史実へと向かい、
また、従来の傑作といわれる作品へと駆り立てられた。
そんなわけで、この歳になって初めて『燃えよ剣』や『新選組血風録』を手にした。
そして、歴史小説を読むという楽しみが、私の体の中に染み込んだ。
そういう楽しみを知ることができてよかったと思った。

△△△△△

大河は必ず録画して見ていた。
もちろん、可能な限り総合テレビの放送時に見ていたのだが、
私は、ひとたびドラマを見るとなれば、役者の仕草一つ、台詞一つも
見聞き漏らしたくない性分なので、どんな場合でもビデオ予約は必須なのだ。
途中で電話がかかってくるかもしれないし、
子供が騒いで台詞が聞き取れないかもしれないし、
実際、1年もあれば、そういうことは何度もあった。
そんなわけで、ずっと「毎週録画」の設定をしていた。

ただ、そのことで苦い思い出もある。
いつだったか、日曜日に外出したことがあった。
だが、放送開始の夜8時までには帰宅するだろうと思い、
私は録画予約をしていなかった。
いや、デッキの設定は「毎週録画」になっていたのだが、
テープを入れていなかったのだ。

夕方、早目の夕食を済ませ、さあ帰ろうという段になって、妻のケータイが鳴った。
義母からで、お茶でも飲みに行かないかというお誘いだった。
義父と2人で、同じ繁華街に買い物に出てきていたのだった。

しかし、大河のことが気になっていた私は、それを断った。
結局、電車の改札付近で顔を合わせ、少しだけ立ち話をして、その日は別れた。

大河は次の土曜日の昼に再放送がある。
そのことは、もちろん私も分かっていた。
にもかかわらず、私はテレビを優先してしまったのだ。
どうしても1週間待つことができなかったのだ。

冷静に考えれば、何と大人気なかったかと恥ずかしく思うのだが、
どうやらその時の私は、
そういう冷静な判断や思慮よりも大きな力で支配されていたようだ。
一歩引いて考えれば、本当にバカバカしくなるほどのハマりようだったのだろう。
そういう意味では、ヨン様の追っかけをしているオバサマ方と大して変わらない。

△△△△△

秋からは、いわゆる縁の地へも繰り出すようになった。
元来が出無精傾向なので、毎週のようにあちらへこちらへという気はないが、
たまたま私が子供時代を過ごした地域が縁の地の1つに近いので、
久しぶりに育った場所を見がてら、その地も訪れてみようかと考えている。

△△△△△

まあ、そんなこんなで1つのドラマ、1つの歴史上のチームによって、
私の内側や外側に様々な変化が起こった1年だった。
そのうちの幾つかはこれからも続いていくだろうと思う。

だが、1年間ほとんど習慣化したものが終わったことの空虚感の方が、
現時点では大きい。
昨日、放送を見ながら、ドラマの筋立てとは別に、
1年間、登場人物として親しんできた俳優さんたちが画面に映るたび、
「ああ、これが最後の出番かも」という寂しさが何度も沸き上がった。
たかがドラマで、こんな感情が起こるものなのかと、我ながら不思議だった。

放送終了後は、物凄い虚脱感に襲われた。
だから、本当は昨日のうちに書きたかったのだけれど、書けなかった。
1年間、灯りっ放しだったビデオデッキの予約ランプも、とうとう消えた。
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by hibinag | 2004-12-13 22:08 | 06.映画・ドラマ・アニメ