慌てなくていい。急がなくていい。前を向いて、少しずつ。地に足つけて、一歩ずつ。


by hibinag
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素晴らしき別世界1


人は現実の中を生きている。と同時に、非現実な空間に生きたいという願望も持っている。そして、時々は、そんな場所に身を委ねようとする。

コンサート会場というのは、つまり、そういう気持ちの折り合いをつける場所の一つではないかと思う。

現実と非現実がナンセンスなら、日常と非日常でもいい。「ハレ」と「ケ」。私は今日、何百日ぶりかに「ハレ」の空間に身を置いたのだ。

2002年11月17日、大阪ドーム。開場は午後4時、開演は6時。だが、久々に会う人たちと話す時間も作りたくて、京都から来るいとこの兄貴と、中学からの友人Cと、梅田で2時に待ち合わせた。もう一人の友人Kは、所用で少し遅れるらしい。

外は快晴。このところの寒さはどこへやら、日差しが暖かく、気持ちいい。よりにもよって行楽日和だ(笑)。

待ち合わせ場所に向かう道すがら、ふとヘンなことが頭をよぎる。

ポール、風邪ひいたりしてへんやろなあ。

学生の頃、今はなき大阪球場の横を通りかかった時のこと。人だかりの中から、ハンドスピーカーを通した声が聞こえてきた。「本日のマイケル・ジャクソン公演は、本人体調不良のため、延期させていただきます」

まさかね。つか、そんなこと思い出すなよ。

兄貴&Cと合流。携帯電話がつながるよう、地上の店でお茶。学生時代、京都で暮らしていたCと、京都在住の兄貴がローカルな話で盛り上がる。初対面なのに(笑)。ま、兄貴は昔から気さくな人だし、だから友人たちと一緒でもOKと思ったわけだし。

小一時間後、Kから電話。彼の居場所からだと、梅田に来るより、そのままドームへ出向いたほうがよさそうだ。というわけで、ドーム近くで落ち合うことに。環状線で現場に向かう。

JR大正駅を降りるなり、「券余ってないか?」「券余ってないか?」攻撃。ダフ屋も当社比7割増の勢いだ。

予定より10分ほど遅れたが、無事Kとも合流。ダラダラ話しながら移動していると、すぐ近くで、「今からステッカーを配ります。ご希望の方はこちらへどうぞ!」との声。取り立てて欲しいわけでもなかったが、見ると、列はまだ15人前後。で、とりあえず並んでみたら、即ゲット。ラッキー。でも、どこに貼るの、これ?(笑)


軽く食事しておこうということで、周辺の店をうろうろしてみるが、やはりどこも混んでいる。

一旦、球場の近くまで階段を上がっていくと、すでに開場待ちの客でいっぱい。その前のグッズ売り場もまたしかり。振り返って、階段の上から下を見れば、さっき並んだ列は、文字どおり長蛇の列になっていた。「あんなになってたら、並ばんかったな」と言い合いながら、再び階段を降り、テイクアウトのサンドイッチなどを購入。仕方なく立ったまま食べる。

食べ終わり、再びグッズ売り場へ。お目当ては4人ともコンサート・パンフレット(単価2500円)だ。KとC、兄貴と私の二手に分かれ、人込みに紛れる。私は兄貴のお金を預かり最前列をめざした。

見ていると、パンフを買った人たちは、結構裸のまま持ち運んでいる。しかし、私は手ぶらで来ていたので、ビニール袋が欲しい。小さなバッグしか持ってきていない兄貴もしかりだろう。

ようやく最前列へ出て「2冊ください」とスタッフに告げる。そして、金を渡すタイミングで、「あ、袋、2つください」。

「あの、パンフレットをお買い上げのお客様には…」と明らかに難色を示すスタッフ。やっぱり。お一人様1枚どころか、まったく渡してないのか?

だが、なぜだ? 横に置いてあるじゃないか。袋はモノを入れるためにあるんだろう? 数が足りないおそれでもあるんだろうが、こっちだって、ないと困る。

何にせよ、人が押し合う状態の中で、ゆっくり議論している暇はない。こういう時は、基本的に押したほうが勝ちだ。流れを遮るように私は繰り返した。

「ほかの人の分もあるから、2つね」

「でも…」

ええい、素直じゃないなあ。

「ほかの人の、頼まれて一緒に買ったんですよ。だから、2つないと困るんよ」

私が一歩も引かない姿勢を見せたので、スタッフは渋々、袋を2つくれた。よし! 勝った! 勝ったよポール!

まあ、向こうにすればイヤな客だったかもしれないが、客の立場からすれば、間違ったこと、無茶なことは言っていないはずだ。売り物(パンフ)がたくさんあるんだったら、それに見合うだけの袋も用意しておくのが当然。それが足りないからと言って、客から見える位置に置いておきながら、渡すのを渋るというのは、いかがなものか。

というような話を兄貴としていたら、知らない中年男が寄ってきた。

「あの、ちょっとお聞きしてもいいですか?」

ん? 宗教なら間に合ってるぞ。私は今、幸せです。

「その袋、どこで手に入るんですか?」

なんてこった! どっちかっつーと袋のほうがプレミアつきかよ(笑)。

「そこの売り場でもらいましたよ」

決して「もらえます」と言ってはいけない。なぜなら、彼はもらえないかもしれないからだ。

と、おじさん、もっとすごいことを口にした。

「あ、売ってました?」

いやタダですって!

「いえいえ、もらったんですよ」

「そうですか。どうも」

う~む、何か間違ってるような気が。

グッズ売り場から少し離れた所で、あとの2人とも合流。すると、

「あ、この袋どうした?

なんや、君らもかいな(笑)。いくらライブ仕様のデザインだからって、値打ちこきすぎやぞ>袋
ただのビニールやっちゅーねん。でも、置いといたら価値出るかも<ヲイ


~つづく~
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by hibinag | 2002-11-17 23:59 | 05-1.Beatles