慌てなくていい。急がなくていい。前を向いて、少しずつ。地に足つけて、一歩ずつ。


by hibinag
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ヨーコに告げ口

ビートルズのアルバムの中でも、「アビイ・ロード」のジャケットは特に有名だろう。その中でポール・マッカートニーは、右手に煙草を挟んでいる。

その写真を、米ポスター会社などが、最近の世界的な嫌煙傾向に配慮してコンピューター処理し、ポールの右手からタバコを消しているというのだ。ポスター以外のグッズについても、同様の処理が施されているらしい。

しかも、それだけにとどまらず、アルバムが再プレスされる際にも、ジャケット写真からタバコを取り除く動きもあるという。

これは由々しき問題である。「guessの勘ぐり」および「林檎の枝葉」で、クレジット表記の変更が「歴史の歪曲」になるかどうかという話を書いたが、今回のは間違いなくねじ曲げだ。これこそ、ヨーコさんは訴えるべきではないか?

新聞記事によると、ポールやリンゴ・スターの周辺からも、

「嫌煙団体からの圧力が強い。行き過ぎだとは思うが、喫煙が格好よく表現されてはいけないとの流れがある」

と、さも本人たちが言ったかのようにコメントが掲載されているが、仮にそうだとしても、あのジャケットはれっきとした一つの作品だ。単なる「レコードの入れ物」ではない。何者も(メンバーでさえも)そこに変更を加えることは許されないはずだ。作曲者の表記順を入れ替える話とは、根本的に異質な問題なのだ。

あのジャケットの裏面には、収録曲が表記されているのだが、実は、2曲目「Something」と3曲目「Maxwell's Silver Hammer」が入れ替わっている。要するにミスなのだが、それすらも「アビイ・ロード」という作品の構成要素なのだ。たとえ間違いであっても、勝手にイジってはいかん。
(ただし、国やプレスによっては正しい順序で表記されているものもあるという説アリ)

まして、あの横断歩道の写真の「右手に煙草を挟んだポール」は、有名な「ポール死亡説」の重要な”証拠”の一つとされている。

「ポールは左利きだから、右手に煙草を挟んでいる彼は、実はポールではない」

という他愛もない遊びではあるが、そんな遊びを可能にしたのは、ほかならぬ、あのジャケット写真なのである。

しかも、真偽のほどは定かではないものの、「ポール死亡説」はメンバー自身が仕組んだという説もあり、そうなると、煙草を消してしまうことは、メンバーが作品に持たせようとした意味合いを明らかに無視した愚行にほかならないということになる。そのあたり、どうなのよ?

つか、これは単にビートルズだけの問題ではないし、まして煙草の是非の問題でもない。「芸術」というものに対する一種の破壊行動に等しい。たとえが悪いかもしれないが、私には、タリバンがバーミヤン遺跡を破壊したのと同じに映るのだが。
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by hibinag | 2003-01-22 14:12 | 05-1.Beatles