慌てなくていい。急がなくていい。前を向いて、少しずつ。地に足つけて、一歩ずつ。


by hibinag
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

マルちゃんのお宝

オーストラリアの古物市で
ビートルズゆかりの品と見られるものが多数発見されたらしい。

その持ち主だったと見られるのが、マルことマルコム・エヴァンス。
1935年、リバプール生まれだから、
ビートルズのメンバーより5~8歳年上だった、ということになる。
郵便局員だった彼は、身長が2mを超える大男で、その巨体を生かし、
アルバイトでキャバン・クラブの用心棒として働いていた。
キャバン・クラブとはご存知、
ビートルズがデビュー前から演奏していたライブハウスだ。

で、そこでマルはビートルズの面々と知り合い、
63年5月にロード・マネージャーとなる。
ロード・マネージャー(ローディー)の主な仕事は、
コンサート・ツアーでのアーティストの世話係。
マルは楽器やアンプの運搬、ギターの弦の張り替え、ボディーガード、
さらにはメンバーと夜を過ごす女性の「調達」まで「担当」していたらしい。

ツアー以外でもレコーディング・スタジオや映画の撮影、
さらにはプライベートに至るまで、
マルは、もう一人のローディーのニール・アスピノールとともに、
ビートルズの陰となり日向となり、実に様々な仕事をこなした。

レコーディングに「参加」することもよくあった。
アルバム「サージェント・ペパーズ」のラストを飾る“A Day In The Life”は、
元々、ジョンとポールの別々の作品を合体させた曲で、
この2つを繋ぐ部分に、最終的にはオーケストラの演奏が挿入される。

しかし、当初その部分は空白で、24小節の長さがあることを示すために、
初めと終わりに目覚まし時計のベルの音を入れ、
その間を1から24までカウントした。
それを担当したのがマルで、「アンソロジー」にも収録された未完成テイクで、
思い切りエコーのかかったマルの「1、2、3…」というカウントが聞けるし、
目覚ましのベルは完成テイクにも残っている。

「アビイ・ロード」収録の“Maxwell's Silver Hammer”には
金槌(鉄床)の音が入っている。
これはリンゴによるものだが、映画「レット・イット・ビー」のセッションでは、
ややずれたテンポで金槌を叩くマルの姿が映っている。

この映画にはマルがよく登場していて、
冒頭、スタジオの中でピアノを押して運んでいたり、
ラストの「屋上ライブ」では、騒ぎを聞き付けてビルに乗り込んできた警官を出迎え、
演奏しているビートルズのメンバーに耳打ちしたりしているマルを見ることができる。
また、映画「ヘルプ!」で、「ドーバー海峡を目指して泳ぎ続けるスイマー」という、
ストーリー上は何の重要性もない役をやっているのもマルだ。

1968年のアップル設立時には常務取締役に就任するなど、
ビートルズから絶大な信頼を受けていたマル。
彼がビートルズに関する何らかの音源や記録を持っていたとしても、
何ら不思議ではない。
今回のコレクションが本当にマルのものであるならば
その信憑性は疑いようもなく、ものすごい“お宝”であることは間違いない。

それにしても売ったのは誰なんだ?
買った人の今後の動向と同じぐらい、そっちが気になる。

<蛇足>
文中の「アップル」は、「アップル・コープス」というコングロマリット(複合企業体)で、
レコード制作・販売、映画、物販、また、そこから上がってくる収益や
ロイヤリティーの管理などを行っていた。
現在もロイヤリティー管理会社として存続しており、
先述のニール・アスピノールが経営責任者を務めている。
かつてはエレクトロニクス部門も存在していたが
パソコンは作っていない。
[PR]
by hibinag | 2004-07-18 17:29 | 05-1.Beatles